世田谷コンシェルジュの西内多恵子です。
国にも都道府県にも指定されていない工芸品。
そんな工芸品の一つ「籠染め」。
浴衣の藍染めを裏と表と違う柄で染め上げる籠染めの技術を持っている工場が日本で唯一越谷にあります。
それが中野形染工場。
その歴史は今から100年以上前。
明治41年初代中野丑蔵氏が越谷で創業し、表と裏と同時に染める籠付け染めという技法を編み出しました。
浴衣の裾が翻った時にチラリと見える裏地が違う柄。
とても粋です。
でも現在は時代の波に押され工場は現存していても「籠付け染」の技術でゆかた染めは行っていないのが現状です。
表と裏の柄違いの反物は、伊勢型紙の模様を真鍮製の籠に加工し籠染めの型を製作します。
籠とは型のこと。円柱、直径約25センチ、高さ約50センチの真鍮の筒。
これを作れるワザを持っている人は現在、伊勢型紙の図柄の籠を作れる人は中野形染工場の人だけなんです。
そして中野形染工場では、この型を、籠灯籠として甦らせました。
日本最後の藍染めの技術「籠染め」で使用されていた貴重な型をそのままの状態で使用し製作した内照式オブジェが「籠染灯籠」。
伝統ある日本のゆかたに染められた味わい深い和柄が刻まれた真鍮製の籠(型)、そこから放たれる幻想的な光は観る者を魅了し、感動を呼ぶ新しい空間を創りだします。
日本の自然美の伊勢型紙の図柄の籠灯籠という照明器具はオーダーも可能。全て一点ものです。
越谷という町はレイクタウンということで近年有名になりましたが、
その歴史は古く、日光街道第3の宿場町「越谷宿」として栄えた町。
そのため日光街道(現在の旧日光街道)には古い蔵や古民家が現存し、タイムスリップしている感覚になる町です。
平成27年には「木下半助商店」が国の登録有形文化財に指定されています。
徳川家との縁も深く「御殿町」という場所費な徳川御殿があったと言われており、鷹狩りを楽しんでいたとか。
御殿町の近くにある越谷久伊豆神社こしがやひさいずじんじゃ」には伊勢神宮で20年ごとに行われる式年遷宮で撤下~解体された後の木材~を用いて建立された第三鳥居もあります。
越谷市内には宮内庁鴨場もあって越谷特産の越谷ねぎとともに鴨ねぎ鍋が実は有名なんです。
こしがやブランドショップから申し込める「こしがや鴨ねぎ鍋セット」2~3人前で4980円。
お正月用に是非!!
越谷市のホームページから申し込み可能です。
https://www.city.koshigaya.saitama.jp/
この他に「こしがや能楽堂」「日本庭園花田苑」「こしがや田んぼアート」、いちご狩りが楽しめる「越谷いちごタウン」など、首都近郊にありながら水と緑が豊かなまち。
その町で生まれ、育った籠染め技法。
籠染の技法を模した両面印刷や染の加工の籠染としての伝統工芸の再興を願うとともに、また違う形として生まれ変わった籠染め灯籠の魅力も知ってもらいたいと思います。
http://www.hanabusadesign.com/#!kagozome-lantern/cdgk