世田谷コンシェルジュの西内多惠子です。
普段、日本語教師やNPO日本伝統芸能教育普及協会<むすびの会>のメンバーとして活動しています。
毎月第一月曜日、「日本の伝統芸能・文化・日本語」についての
豆知識をご紹介している「にっぽん文化豆知識」。
2回目は、「文楽」についてお話ししました。
クイズ① 文楽の代表的作者と言えば?
『近松門左衛門』
100作以上書いている作品の中でも、「曾根崎心中」「心中天の網島」など、文学的に優れている作品がたくさんあります。
18世紀前半。
義理と人情のもつれから、愛し合う男女が世間のしがらみに縛られ、愛を貫くことができず共に命を・・・これが心中物。
現実に起きた心中事件をもとに、近松は作品を書き文楽の舞台で上演されると大人気に!!
今で言うワイドショーです。
しかし、「曾根崎心中」があまりにも素晴らしい作品だったため、
今度は心中に憧れる男女が増え、実際に心中する人たちがなんと増加!!
そのため、江戸幕府は1723年に心中物の上演を禁止することに・・・
これで、文楽がどれだけ人々の生活に密着していたかわかりますよね。
クイズ② 人形浄瑠璃と文楽って何が違うの?
『同じ』
幕末に、淡路の興行師・植村文楽軒が大阪に人形浄瑠璃専門の劇場をつくり、これが「文楽座」となり、大阪の人形浄瑠璃が「文楽」と呼ばれるようになったのがはじまりです。
そう・・・
「文楽」って文楽軒さんの人の名前だったのです。
「文楽」は、義太夫・三味線・人形遣い(主遣い、足遣い、左手遣い)の三業一体。三つの息がぴたりとあって演じるもの。
その辺のお話は、また今度・・・
歌舞伎はよく観るけれど、文楽は・・・
と言う方々。
歌舞伎と文楽は同じ演目がたくさんあります。
見比べる、聞き比べる、感じ比べる。こんな見方をすると更に日本の芸能のおもしろさにハマるはずです。


写真は「むすびの会」の文楽に触れるイベントにて。