世田谷コンシェルジュの西内多恵子です。
普段、日本語教師やNPO日本伝統芸能教育普及協会<むすびの会>のメンバーとして活動しています。
これから毎月第一月曜日、「日本の伝統芸能・文化・日本語」についての豆知識をご紹介します。
初回は「能と狂言」 の豆知識
クイズ① 能はいつ頃から誰が?
室町時代に完成したと言われる、約700年前から続く伝統芸能です。
能と言うと思い出すのは天才親子「観阿弥・世阿弥」ですね。
日本史でも勉強した記憶が・・
この親子の作品は多数ありますが、「能を今の形に大成させた」という事が
この親子の一番の功績です。
クイズ② 狂言は単独講演があるのに、能は必ず狂言とセット。なぜ?
能はあの世の世界の話。主人公(シテ)のほとんどは幽霊なのです。
あの世の話を聞いたまま、お客様が家路につく・・・
これはちょっといけません。
狂言には、能を鑑賞した後に 「現実に戻る」 といった要素があるのです。
よって、能は必ず狂言とセットで上演されます。
ちょっと深めの豆知識
「観阿弥」
スーパーヒーローが登場して悪い奴うぃやっつけたりする、わかりやすい作品で、今の演技と同じように時間の経過を物語で見せる作品。
「世阿弥」
複式夢幻能(むげんのう)と言われる、主人公が幽霊となって現れる形式を作った人物。幽霊となった伝説の主人公が旅のお坊さんに、かつての自分の伝説を語って聞かせます。お坊さんに「あなたは誰?」と聞かれると、「実は・・・・・」といって居なくなります。それを見たお坊さんが弔っていると、先ほどの幽霊が装束を変えて伝説の主人公として現れます。その伝説を 語り、舞い、表現する。そして最後はお坊さんの弔いにお礼を言い、またいなくなる。
というのが夢幻能のパターンです。
初めて観る演目は、観る人の人生観を変えます。オーバーではありません。
「又観たい」と感じるか、「もう観ない」と捉えるか。
それは、能だけではありません。
豆知識とともに、最初の出会いもご紹介していけたらと考えています。
<むすびの会>はそのお手伝いもしています。
さて、次回は新春1月5日。お楽しみに。
<むすびの会>は、学校現場で日本の伝統芸能を体験的に学ぶ機会を応援することを目的に実演家、学校現場教員、研究者らで2002年に設立された協会です。
現在は、学校教育現場だけでなく、大人向けの講座も開催しています。
「本物を観て感じとる」 これを核とした活動をしています。
